年々減少傾向にあるものの泣き寝入りになる件数は多く、やられた瞬間の憤りは言葉ではあらわせないもの。
車の破壊による修理費用、車両部品や手荷物の損害など被害者への金銭的な負担は大きく、カード類をやられると使用停止などの手続きも必要になってきます。
そんな車上荒らし(車上ねらい)の被害件数の実態や対策などについて。
車上荒らしの被害統計
警察庁により集計されているデータを参考にまとめたのが以下の一覧です。
種別 | 認知件数 | 検挙件数 | 検挙率 |
---|---|---|---|
2005年 | 256,594 | 53,465 | 20.8% |
2006年 | 205,744 | 49,592 | 24.1% |
2007年 | 104,857 | 41,116 | 24.5% |
2008年 | 155,671 | 40,146 | 25.8% |
2009年 | 145,137 | 38,706 | 26.7% |
2010年 | 124,608 | 29,780 | 23.9% |
2011年 | 113,101 | 23,658 | 20.9% |
2012年 | 104,037 | 24,504 | 23.6% |
2013年 | 87,976 | 48,094 | 22.6% |
2014年 | 75,289 | 15,604 | 20.7% |
2015年 | 65,023 | 13,185 | 20.3% |
(出典 「平成26、27年の犯罪情勢」 警察庁)
車上荒らしの被害件数はほぼ毎年減少しており、2015年では2005年のときの4分の1程度の件数にまで減少しています。
しかし、検挙率については若干上昇した年はあるものの、大きく見るとおおよそ2割程度と泣き寝入りになってしまう確率がとても高いのが現状。
被害件数が減少しているとはいえ、ロックをかけた車内が安全地帯ではないということをしっかり自覚しておきましょう。
短時間に複数台がまとめて被害にあうということも少なくないようです。
- 2時間のうちに24台が車上荒らしに
- 2016年8月、埼玉県の飲食店などの駐車場で車上荒らしが相次ぎ、おおよそ2時間の間に24台が被害に遭遇。警察は同一犯の犯行とみて捜査しているとのこと。
…わずかな時間でも油断禁物!
認知されている件数のうち約半数が駐車場での犯行となっており、駐車場を利用する際にはそこに車上荒らしがいると思うくらいの気持ちで対策を。
車上荒らしによる被害品
車上荒らしで実際に盗まれた被害品にはどういったものがあるのか。
以下の一覧は2015年の被害品と被害品数をまとめたものになります。
被害品 | 被害品数 |
---|---|
バッグ、財布類 | 27,749 |
カード、有価証券 | 23,151 |
携帯電話 | 3,754 |
建設機械 | 3,503 |
機械類その他 | 8,067 |
運転免許証 | 11,172 |
カーナビ | 1,589 |
カーステレオ | 50 |
ナンバープレート | 106 |
車両部品その他 | 1,491 |
(出典 「平成26、27年の犯罪情勢」 警察庁)
車上荒らしといえば高額なカーナビが盗まれるというイメージも根強いですが、圧倒的に多いのはバッグや財布などのような手荷物となっています。
駐車場に止めてご飯を食べに行くなんて長い時間はもちろんのこと、コンビニでちょっとの買い物やトイレの利用などの短い時間であっても、手荷物は全部持って降りたほうが無難であることは間違いありません。
- プロゴルファーのゴルフクラブが車上荒らしに
- 2016年9月、女子プロゴルファーが大会参加のため空港近くの駐車場に置いていた車が車上荒らしに。ゴルフクラブ、DVD、トレーニング器具が盗まれたそうです。
- 従業員のマイナンバーが車上荒らしに
- 2016年4月、居酒屋チェーン店「鳥貴族」の従業員430人分の住所、氏名、マイナンバーなどを書いた書類が車上荒らしで盗まれています。
…こういった貴重品も盗まれている現状を考えると、車内の安全性に過信はできないと考えたほうがいいですね。
あと、運転免許証をグローブボックス(ダッシュボード)に入れっぱなしという人もいるようですが、車上荒らしのリスクを考えるとおすすめはできません。
車上荒らしにあった時間や曜日を見てみると、実は不明になっている件数が最も多いことも明らかにされています。
車の中に普段から置きっぱなしにしている何かを、こっそり盗まれていたというパターンも多いため、車の中への置きっぱなしには注意しておきましょう。
車名別の車上荒らし件数
ここからは日本損害保険協会が実施した調査結果をご紹介。
調査は全国1ヶ月間で保険金を支払ったものが対象となっています。
2013年11月調査 | 2014年11月調査 | 2015年11月調査 | |||
---|---|---|---|---|---|
車名 | 件数 | 車名 | 件数 | 車名 | 件数 |
プリウス | 109 | プリウス | 42 | ハイエース | 48 |
ハイエース | 48 | ハイエース | 26 | プリウス | 39 |
クラウン | 37 | エブリィ | 22 | クラウン | 14 |
アルファード | 34 | エルフ | 19 | ヴォクシー | 13 |
ヴォクシー | 34 | クラウン | 18 | ベンツ | 12 |
タント | 33 | ワゴンR | 16 | レンジャー | 12 |
カローラ | 27 | ベンツ | 15 | ワゴンR | 12 |
ノア | 27 | レクサス | 15 | アルファード | 11 |
エスティマ | 26 | キャンター | 14 | フィット | 11 |
ワゴンR | 23 | フィット | 14 | キャンター | 10 |
フィット | 21 | エスティマ | 12 | エブリィワゴン | 9 |
ベンツ | 21 | プロボックス | 12 | レクサス | 9 |
ムーヴ | 21 | アクア | 11 | BMW | 8 |
ウィッシュ | 18 | ヴォクシー | 11 | アクア | 8 |
レクサス | 18 | フリード | 9 | タント | 8 |
BMW | 17 | BMW | 9 | UDトラック | 7 |
ヴィッツ | 17 | NBOX | 9 | エスティマ | 7 |
ステップワゴン | 17 | ヴェルファイア | 9 | エブリィ | 7 |
エブリィ | 16 | ステップワゴン | 9 | エルフ | 7 |
アクア | 15 | タント | 9 | キャラバン | 7 |
– | – | – | – | クリッパー | 7 |
– | – | – | – | セレナ | 7 |
– | – | – | – | ノア | 7 |
合計 | 1,092 | 合計 | 626 | 合計 | 490 |
(出典 「自動車盗難事故実態調査」 日本損害保険協会)
2015年のたった1ヶ月でも490台となっており、これはあくまで保険の支払いが対象なので、少なく見積もっても年間5,000台以上の車が盗難されているということです。
プリウスはこのデータにおいても被害件数がとても多いですね。
しかし、もともとの販売台数が多いという要因もあるため、相対的に被害に遭遇する確率が高くなるというのもあるかと。
2015年11月調査ではハイエースがプリウスを抜いて最も多い件数に。
ハイエースは耐久性や部品の汎用性に優れていることから需要が高く、車両そのものの盗難も多いですが、車上荒らしに遭遇する確率も高いので防犯対策は欠かせません。
関連記事:「要チェック!車盗難ランキングなど統計資料のまとめ」
都道府県別の車上荒らし
これも日本損害保険協会が調査したデータですが、保険の支払われたものが対象となっているので参考までに。
2013年11月調査 | 2014年11月調査 | 2015年11月調査 | |||
---|---|---|---|---|---|
都道府県 | 件数 | 都道府県 | 件数 | 都道府県 | 件数 |
大阪府 | 286 | 大阪府 | 167 | 大阪府 | 139 |
愛知県 | 239 | 愛知県 | 93 | 愛知県 | 104 |
京都府 | 79 | 埼玉県 | 66 | 千葉県 | 30 |
千葉県 | 74 | 神奈川県 | 48 | 神奈川県 | 19 |
兵庫県 | 57 | 千葉県 | 32 | 東京都 | 18 |
埼玉県 | 47 | 兵庫県 | 30 | 京都府 | 18 |
神奈川県 | 46 | 東京都 | 26 | 兵庫県 | 16 |
福岡県 | 34 | 京都府 | 22 | 埼玉県 | 15 |
岐阜県 | 27 | 岐阜県 | 20 | 静岡県 | 15 |
北海道 | 27 | 茨城県 | 17 | 北海道 | 14 |
その他 | 176 | 福岡県 | 17 | 茨城県 | 14 |
– | – | その他 | 88 | 岐阜県 | 14 |
– | – | – | – | その他 | 74 |
合計 | 1,092 | 合計 | 626 | 合計 | 490 |
(出典 「自動車盗難事故実態調査」 日本損害保険協会)
都道府県別で見ると大阪が1位、愛知が2位という結果に。
大阪と愛知の件数は特に多く感じますが、もともと大阪や愛知は車両保有台数が多いため、相対的に数値が伸びやすいというのはあります。
しかし、もう少し細かく数字を追いかけてみると、2015年の車両保有台数は愛知が1位(5,135,442台)となっていますが、大阪は5位(3,727,954台)となっています。
単純に車両保有台数が多いというだけではなく、やはり車上荒らしに遭遇しやすい地域というのがあることが考えられます。
車上荒らしを予防する対策
狙われやすい車、狙われやすい場所や時間などはありますがそういったことに関係なく、車の中のものはいつ盗まれてもおかしくはないぐらいの気持ちでいること。
前提としてそういった心構えをもっておくことも重要な対策となります。
施錠なしのケースも多い
まず大前提として車から離れるときはわずかな時間であっても、窓を完全に閉めてドアのロックを忘れないようにすること。
「そんなの当たり前!」と思われるでしょうが、最初の項目でも触れた統計データで、2015年の車上荒らしの認知件数が65,023件となっており、このうち約半数にあたる32,996件は施錠なしでの犯行だったことがわかっています。
普段から施錠しない車が狙われたのか、たまたま施錠を忘れた車が狙われたのかはわかりませんが、普段から施錠忘れをしないように注意しておきましょう。
手荷物の車内放置に注意
被害品の項目でも触れましたが手荷物が盗まれる件数は多いです。
最低限、手荷物は外から見ても見えない位置に隠すか、短い時間であってもなるべく車外に持って出るほうが無難なのは間違いありません。
車上荒らしにも全くのリスクがないわけではないので、リスクを犯す以上何かを得たいと考えるわけです。
そういう意味でもわざわざ何もなさそうな車を狙うよりも、何かあるとわかっている車が狙われるのは当然の選択となります。
近年ではカーセキュリティグッズも充実していますが、まずはこういった基本的な対策を忘れないようにしましょう。
車上荒らしには車両保険
万が一の車上荒らし被害にあったときに使えるのが車両保険。
もちろん車上荒らしのためだけに加入するというものではなく、万が一の交通事故など総合的な意味を含めて考えておくことがすすめられます。
いくつか考慮しておく点として免責金額の設定金額、手荷物が補償範囲に含まれないこと、保険を使うと等級が下がるなどがあります。
(※ バッグや財布などの手荷物は別の特約に加入しないと補償されません。)
ちなみに、日本損害保険協会の2015年11月調査によると、1件あたりの支払い保険金額は34万円となっており、これも毎月の保険料と天秤にかける要素になるかと思います。
単独で考えると大きな出費となる車両保険ですが、車上荒らし限定ではなく総合的に考えるとその意義も高まるかと思います。

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売却実績②…トヨタ アルファード | ||
年式 2012年 | 走行距離 34,242km | 査定日 2018年6月 |
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