運転免許を取得してから1年未満の運転初心者が、レンタカーを利用する際に注意すべきこと、もしくはレンタカー以外の選択肢もありという話。
初心者でもレンタカーを利用できる?
そもそも運転初心者がレンタカーを利用できるのかという疑問について。
その答えはサービスによって可否が違ってくるのでご注意。
まず、一般的にいう「運転初心者(もしくは初心者運転)」とは、正式には道路交通法上の「初心運転者」をさしており、運転免許の効力が停止されていた期間を除いて免許取得後通算1年未満の人を意味しています。
これに該当する人がレンタカーを利用できるかは、そのサービスを提供する運営会社の方針次第となっているので、利用する前の事前確認がすすめられます。
レンタカー会社のFAQなどに掲載されているものをいくつかまとめているので、よければ参考程度に以下の一覧をご覧ください。
サービス名 | 運転初心者について |
---|---|
オリックスレンタカー | 制限なし 運転初心者でも問題なし |
スカイレンタカー | 制限なし 運転初心者でも問題なし |
タイムズカーレンタル | 制限なし 運転初心者でも問題なし |
トヨタレンタカー | 原則として利用可 運転初心者でも問題なし |
ニコニコレンタカー | 3ヶ月未満…要経験者(3年以上)同乗 1年未満…免責補償加入不可 |
日産レンタカー | 要経験者(3年以上)同乗 免許補償など加入不可の可能性あり |
ニッポンレンタカー | 要経験者(3年以上)同乗 免許補償など加入不可の可能性あり |
…結果として規模に関係なく大手でも不可のところは不可となっていますが、おおよそ利用できるサービスは多いといえるでしょう。
運転経験3年以上の同乗者が必要といった条件を提示するサービスもあるので、その場合は1人で練習するのには不向きですね。
初心者は保険・補償を要チェック!
運転初心者なら特に重要度が高まる保険と補償の話。
レンタカーでは一般的に「対人:無制限」、「対物:無制限(免責5万円)」、「車両:時価(免責5万円)」、「人身傷害:3,000万円」といったパターンが多いです。
そして「免責補償制度」への加入料金はおおよそ1,000~2,000円、「NOC補償制度」への加入料金はおおよそ500~1,000円程度となっており、万が一の事故対策として補償を厚くすると利用毎に毎回2,000円前後が必要になります。
- 免責と免責補償制度
- 簡単に解説すると免責とは損害の自己負担分を意味しており、免責補償制度(CDW)はその負担をなしにすることで、例えば免責5万円と設定されていても免責補償制度に加入すれば、その損害額を負担しなくてよくなるというもの。
- NOCとNOC補償制度
- 簡単に解説するとNOCとは休業補償のことで、その車両が事故などにより運営に利用できなくなった期間の補償を意味しており、NOC補償制度(ECO)はNOCが生じた際の個人負担をなしにする制度。
名称は異なりますがいずれも事故で生じる損害に関することですね。
ある程度の運転経験を重ねると、自分の事故率と事故時の損害負担を考慮し、こういった補償制度への加入を自分で判断しやすくなります。
基本的にはあまりコストパフォーマンスがいいとはいえないので、運転初心者を脱した人はしっかり考慮した上で補償を付けないケースも少なくないようです。
初心者マークを忘れてはいけない!
運転初心者は初心者マークを付けることを忘れてはいけません。
これは法律で定められた義務なので違反すれば反則金を支払う必要が生じます。
実は誤解されることが意外に多かったりするのですが、初心者マークは運転者が初心者であることを示す標識の一種であり、会社で使う営業車、両親や友達の車、レンタカーなど使用する車に関係なく、運転者が初心者であれば付けなければいけません。
また、レンタカーでは初心者マークの取り扱いはサービス単位ではなく店舗単位で違っていることがあり、最初から取り扱いのない店舗、有料レンタル、無料レンタルと様々になっているので、実際に利用する店舗のWebサイトなどで確認しておくことがすすめられます。
初心者はカーシェアも選択肢に?
ここまでは初心者がレンタカーを利用するなら…という想定で書いてきましたが、運転初心者にはレンタカーではなくカーシェアという選択肢もあるので解説しておきます。
カーシェアとは簡単に解説すると、有人手続きを主とするレンタカーと違い、最初から最後まで運営スタッフとのやり取りを通さずに利用できる無人の車貸し出しサービスのこと。
レンタカーに近いけど24時間の無人手続きというのが大きな違いです。
(※ 詳しくは「基礎知識…カーシェアリングとは?その特徴を解説」を参照のこと。)
短時間利用できるレンタカーもありますが6時間以上からというのが多いレンタカーと違い、カーシェアでは30分や1時間といった極短時間の利用も可能となっており、そんなに多くの時間がない場合でも短時間の練習ができるというのも初心者に嬉しいメリット。
加えてカーシェアは6時間以内の利用では「距離料金」が不要となっていることが多いため、利用料金は比較的低コストです。
- 距離料金とは
- 利用する車種に関係なくサービスやプランで1km単位で生じる利用料金の一種。サービスによって異なるがおおよそ15~20円/kmといったところ。
レンタカーといえばガソリン満タン返しは基本となっていますが、短時間であれば「燃料コストの負担がない=実質ガソリン代不要」というのはありがたいところですね。
関連記事:「カーシェアの距離料金とは?カレコやタイムズを比較」
短時間練習と長時間練習について
これはスポーツや楽器の習得などでもよく言われている考え方ですね。
技術を向上させるための練習で、同じ30時間であっても例えば15時間ずつで2回よりも6時間ずつで5回、1時間ずつで30回の方が効率が良いといった考え方です。
これは特に意識の有無が関係していて、無意識の状態で長時間練習するより、意識的な練習なら短時間でも成果が高く効率が良いということです。
短時間からでも利用できるカーシェアならこうした考え方とも相性が良く、長時間の運転に不慣れな初心者が運転技術を向上させるのに程よいサービスといえそうですね。
ただし、レンタカーでもカーシェアでも基本的には長時間パックの方が時間単位の料金は安く設定されています。
この方法は運転技術を向上させるための効率はいいですが、料金面のコストパフォーマンスは長時間パックには敵わないというのがデメリットでもあります。
カーシェアは保険・補償が低コスト
先ほどレンタカーの保険・補償について触れたので、ここではカーシェアを利用する場合についても解説しておきます。
カーシェア大手は基本的に免責補償無料(最初から免責金額0円)、NOC補償も300円程度となっているので、フル補償で比較するとカーシェアの相場が300円程度なのに対し、レンタカーの相場が2,000円程度とカーシェアの方が安いです。
これは利用の度に必要となるので、例えば週に2回で1ヶ月に8回程度練習するなら、補償の加入料金だけで2,400円と16,000円で意外に大きな差に。
また、補償の手厚さはサービスによって違っていますが、基本的にカーシェアの方が手厚いケースが多いので、保険・補償の点ではカーシェアの方が安心できそうですね。
初心者におすすめのカーシェアとは?
もともとコスト優先で考えるならカレコの平日プランが最もおすすめでしたが、2018年4月より運転免許取得後1年未満の人は会員登録ができなくなってしまいました。
…というわけで次点のdカーシェアが運転初心者におすすめのカーシェアに。
一応各社の1時間での料金比較は以下に掲載しているのでご覧ください。
種別 | 利用料金 | |
---|---|---|
補償なし | 補償あり | |
カレコ (平日プラン&コンパクト) | 480円 | 804円 |
カレコ (ベーシック&コンパクト) | 780円 | 1,104円 |
オリックスカーシェア (個人A&スタンダード) | 800円 | – |
タイムズカーシェア (ショート&ベーシック) | 824円 | 1,133円 |
dカーシェア (スタンダード) | 880円 | 880円 |
カレコの平日プランは平日限定という条件付きではあるものの、補償なしでワンコインを下回る低コスト、NOC補償に加入しても804円と最も安いのが魅力的。
…残念ながら規約が変更されたので運転初心者向きではなくなりましたが…。
dカーシェアはNOC補償制度への加入料金がまさかの「無料付帯」となっており、短時間利用を繰り返すという利用方法において、補償についての最高のコストパフォーマンスを発揮するサービスとなっています。
ネックなのはdカーシェアのサービスは展開エリアがあまり広くはないため、利用できない地域が少なくないというところ。
タイムズカーシェアはこの中では最もコストが高くなっていますが、展開エリアは他社よりも圧倒的に多いため、利用できる地域が多いというのが利点になっています。
関連記事:「料金比較!カーシェアリング4社の最安料金とは?」
運転初心者は補償制度を利用すべき?
新しい調査資料は見当たりませんでしたが、10年以上昔の調査では運転初心者の事故率は全運転者の1.5倍以上という結果もあり、運転初心者は統計的にも事故率が高いという結果が明らかにされています。
運転経験がそれなりにある人と運転初心者で技術に差があるのは仕方ありませんが、具体的な数字を見るとリスクは念頭に置いて判断すべきでしょうね。
こういった調査結果からも運転初心者は保険・補償について確認を怠らず、特に初期の頃ではあまりケチらずにフルで加入しておくのが無難ともいえます。
補償制度への加入については別記事の「本当に必要?レンタカーの免責補償制度についての考察」にて関係資料を基に考察しているので、よければそちらをご覧ください。
初心者にはカーシェアも十分にあり!
短時間だと距離料金不要で補償制度も低コストのカーシェア。日常的にわずかな時間で練習を繰り返すには程よいサービスではないかと。
ただし、カーシェアの場合は利用できる「ステーション(カーシェア専用車両を設置している駐車場のこと)」が地域によってはなかったりするため、近場にステーションの有無やできれば車種のチェックもしておいたほうがいいです。
また、多めの時間をとって練習をする場合は格安レンタカーのコストパフォーマンスが光ってくるので、あとは個人のスタイルに合わせて比較してみるのがいいでしょう。
利用可能なサービスをうまく活用して脱初心者を目指して頑張ってください。
関連記事:「おすすめのカーシェアリングとは?4社を徹底比較!」

2017年9月に業界初の全国展開を達成しており、利用可能な地域が最も多いため、国内旅行に適したカーシェアといえるでしょう。
また、2018年7月には単独で会員数100万人を突破したことが発表され、カーシェア業界では圧倒的なシェアを獲得しています。
サービス情報 | その他の情報 |
---|---|
対応地域:全国 | 最短利用:15分~ |
車種:30車種以上 | 予約単位:15分毎 |
通常料金:最安206円 | 給油割引:15分相当 |
ポイント:100円で1P | 学生プラン:あり |
最短15分で15分毎の料金は206円。パック料金は全車種共通となっており、料金プランはとってもシンプルなのが特長。
3種類の夜間パックは使い勝手が良く、24時間利用可能というカーシェアのメリットとの相性もいい感じです。
ステーション数は1万箇所を超えていますが、毎月の新規オープンや増車の数は多く、利用できる地域は今後もさらに増えていくことが期待されます。
カーシェア大手のひとつですが展開は東京23区を中心としているため、利用できる地域が限定されてしまうのがやや難点。
サービス情報 | その他の情報 |
---|---|
対応地域:11都府県 | 最短利用:30分~ |
車種:60車種以上 | 予約単位:10分毎 |
通常料金:最安80円 | 給油割引:300円分 |
ポイント:200円で1P | 学生プラン:あり |
しかし、通常プランでは10分毎130円、平日プランではなんと10分毎80円と圧倒的な格安プランが魅力的。
料金の自動計算で最安適用、夜間パックの6時間返却で距離料金無料、給油割引での金額割引など、とにかく料金面と相性の良い独自サービスが多く、価格重視のユーザーには最もおすすめのカーシェア。
また、取り扱っている車種は60以上と業界でもトップクラスの多さで、レクサスやベンツ、ロードスターなど普段乗れないクルマを楽しめます。