走行距離は車の買い替え時期や売買金額の目安にもなるなど、重要度の高いチェックポイントになっています。
重視されがちな走行距離の買い替え目安や限界値、ギネスに関するエピソードなど走行距離に関する話をまとめてみました。
まずは走行距離の目安について
カーユーザーの多くが占める年3,000km前後、最近では少数派になってしまった年1万kmといった走行距離について解説します。
年平均3,000~5,000km
年3,000kmなら月250km、30日計算なら1日8kmで片道4km、人にもよりますが徒歩では1時間近くもかかる距離、公共の交通機関が利用できれば問題ないが徒歩では若干厳しく、コスパ的には車よりも自転車が便利といったところ。
近所へのちょっとした買い物や週末だけのレジャー用、もしくは複数台持ちでのレジャー用といったライトユーザーの用途がおおよそこの程度の距離になるかと思います。
あとで詳しいデータを紹介しますが、最近のカーユーザーの多くが当てはまる走行距離にもなっていますね。
次に年5,000kmなら月で約400km、30日計算なら1日13kmで片道6km、地域にもよりますが車を通勤メインで使う距離に持っています。
この走行距離帯であれば車の市場価値が落ちにくいため、目安としては乗り潰しだけでなく買い替えの選択も十分視野に入れていいと思います。
また、走行距離区分によって保険料が変動するタイプであれば、自動車保険を見直してみるのもおすすめです。
関連記事:「気になるデータ…任意保険の加入率ってどうなの?」
年1万kmは市場でも目安に
年1万kmは月で月約800km、30日計算なら1日27kmという計算に。
片道10km程度の通勤用として使われることが多くなり、距離によっては週末のちょっとした買い物やお出掛けがプラスされるなど、バランスによって用途の選択が広がります。
比較的がっつりと車を使い込む距離となっており、相対的にパーツの損耗度合も高くなるため、年1万kmを超える車は市場価値が下がる傾向にあります。
当然ながらこれよりさらに年2万km・年3万kmといった使い方をするのであれば、市場価値の下落を考慮した上で乗り潰すことも考えておいたほうがいいでしょう。
時代の流れから近年ではこういったオーバーペースの人が占める割合は減少傾向になっており、残念ながら車に時間やお金をかけることを理解されにくい印象ですね。
年別・月間走行距離の平均
「JAMA(日本自動車工業会)」が公表している資料によると、月間走行距離の平均は350km(年間なら4,200km)と年々減少傾向であることが明らかにされています。
以下の一覧は2011年から2017年までに公表されたデータを抜粋したものです。
走行距離 | 2011年 | 2013年 | 2015年 | 2017年 |
---|---|---|---|---|
~300km | 54% | 58% | 61% | 59% |
~600km | 18% | 17% | 17% | 17% |
~1,200km | 22% | 21% | 18% | 19% |
1,201km~ | 7% | 5% | 4% | 5% |
平均 | 410km | 380km | 350km | 370km |
(※ 参考資料:「乗用車市場動向調査」 JAMA)
…月間走行距離では300km以下(年間3,600km)の人の割合が年々増加、月間601km以上では年々減少、平均値も年々減少となっていることがわかります。
ニュースなどでもいわれていますが、こういった資料でも車を趣味として扱うより移動のためとした使い方が、おおよそ主流になってきているという動きを感じますね。
こうした統計データを参考にすると自分がどういった位置に属するかを判断しやすく、今後の車の買い替えなどの判断材料にしやすいかと思うので参考までに。
走行距離とお金のつながり
車の走行距離は買い替えのタイミングや自動車保険などの維持費用にも関係します。
売るときの走行距離の目安
査定の目安として広く知られているのが「年1万km」で、「JAAI(日本自動車査定協会)」が定める標準の走行距離とされています。
活用範囲は広く、中古車市場でもおおよその基準になるため、車を売買する際には頭に入れておくといいでしょう。
これを基準に3年落ちなら3万km、5年落ちなら5万km程度が目安で、年1万kmを超えるようであれば「過走行(多走行)」と判断され「マイナス査定(減点対象)」となります。
これはあくまでひとつの目安となりますが、年1万km以下であれば走行距離によるマイナス査定はないため、それなりの売却金額が期待できる…といったことが考えられます。
先ほど紹介したJAMAの資料にもあるとおり、最近は特に走行距離の短い人が多く、過走行車は敬遠されがちで買い手が付きにくいことから、査定金額を下げざるを得ないといった事情もあります。
ただし、車の購入費用をできる限り抑えたいといった人が、あえて過走行車の中から選ぶ…などの一定の需要もあります。
…先ほどのデータでも日本ではあまり年1万kmというのは主流ではないため、これを超える人というのは少数派となりますが、これを目安に超える側に該当するなら早めの売却や乗り潰しなどの計画を先に立てておくことがすすめられます。
株式会社ウェブクルーでは軽自動車の走行距離と売却金額についてのアンケート結果を公表してくれており、おおよその目安には使えると思うので参考程度にご覧ください。
走行距離 | 軽自動車 | 普通自動車 | ||
---|---|---|---|---|
売却 台数 | 平均 売却金額 | 売却 台数 | 平均 売却金額 | |
~2.5万km | 158 | 595,259円 | 368 | 1,606,258円 |
~5.0万km | 197 | 377,937円 | 475 | 1,016,032円 |
~7.5万km | 172 | 243,698円 | 442 | 585,086円 |
~10.0万km | 138 | 148,739円 | 337 | 417,650円 |
~15.0万km | 110 | 74,736円 | 393 | 235,754円 |
15.0万km超 | 29 | 59,414円 | 168 | 223,643円 |
(※ 出典 「車買取・査定に関する実態調査」 株式会社ウェブクルー)
本来は経過年数も重要な要素ではありますが、ここではあくまで走行距離のみに絞った集計となっており、それでも目安にするのにちょうどいい調査結果ではなないかと。
~2.5万kmと~5.0万kmでは軽自動車で36.5%、普通自動車では36.7%といずれも3割を超える下落、~5.0万kmと~7.5万kmでも軽自動車で35.5%、普通自動車では42.4%とこちらも3割を超える下落といずれも下落幅は3割を超えるという結果に。
結果的に~15.0万kmまでは3割前後の下落が見受けられる形になっており、比較的綺麗な右肩下がりの結果といえるでしょうね。
走行距離という観点からでもこのように相場の変動パターンは見て取れるので、おおよその目安として参考にしてみてはいかがでしょうか。
関連記事:「平均10万円以上の違い?車を売るならどこがいいのか」
買うときの走行距離の目安
中古車を購入するときも走行距離は重要なポイントになってきます。
どういった車を欲しいのかにもよりますが、とにかくコストを抑えたいとか乗り潰すのが目的であれば、年数に対して走行距離が大きいものを選ぶとコストを抑えることができます。
逆になるべくいい車を求めるのであれば、年数の割に走行距離が少ない車を選べばいいということになります。
ここまで解説してきた年1万kmなどの目安がここで活用できるでしょう。
例えば3年で1万km(年3,000km程度)といった車は走行距離だけで考えても、プラス査定の対象となるため、他に問題がなければ基本的に良い状態の車、つまり比較的購入金額の高くなる車ということになります。
逆に3年落ちで3万kmを超えるような過走行車は買い手が付きにくくなる分、車両金額はそれなりに抑えて設定されています。
しかし、今後のトラブル率が高くなる可能性、乗り潰すまでの期間が短くなる可能性などもあるため、それなりにリスクを負う覚悟も必要となるわけです。
どちらも金額とパフォーマンスでメリット・デメリットがあるため、あとは個人の使い方とマッチする車を選ぶことになるでしょう。
…また、年数の割に走行距離が極端に少ない「低走行車」にも、ある程度の注意と知識が必要になるということもお忘れなく。
関連記事:「買い時の見極め!異なる新車と中古車のタイミング?」
低走行車とは?
年数の割に走行距離が極端に少ない車を「低走行車」と呼びます。
例えば年3,000kmなら10年でも3万kmとなりますが、それよりもさらに少ない走行距離で、主に10年で1万kmとか2万km程度といった車をさします。
全体の割合からすれば多いわけではありませんが、低走行車そのものが市場に出回ることは決して稀というほど少ないわけでもありません。
もちろん年式と走行距離が離れるほどレア度は高まりますが。
どういった車が低走行車に?
実例を挙げると複数台持ちでレジャーなどの遠出用、もしくは趣味のドライブ用に所持していた車でこういったケースが起こります。
子供が生まれたことや昇進などによる生活環境の変化で、突然運転する機会がなくなるといった背景から市場に出てくるといったパターンです。
他にも試乗車(デモカー)といった試乗のために使われていた車である場合や、悪質な業者ではメーター偽装の可能性もあります。
例えば車庫で放置されていた期間が長くなると、タイヤ、ホース、ベルトなどの樹脂製(ゴム製)のパーツに劣化が起こり故障に繋がる…といったケースも考えられます。
低走行車にも目利きが必要
車は走らせれば走らせるほど各パーツは損耗していきますが、走らせないことで劣化するパーツや不具合の起こりやすくなるパーツもあります。
中古車はお手頃なものも多いため身近なものとなりましたが、車のこういった性質を知らない人は意外に多いです。
そのため、背景がはっきりしない低走行車は判断が難しく、自分でこういった車を見極めるだけの知識があるとか、信頼できる中古車ディーラーを知っているといったことがなければ、低走行車はあまり手を出さないほうが無難かもしれません。
走行距離区分と自動車保険
走行距離は車の売買だけでなく維持費用である自動車保険にも関係してきます。
ダイレクト型(通販型)の自動車保険の多くでは、過去1年間などの走行距離によって保険料が違ってくるため、車の走行距離が少ない人ほど保険料を有利にできるといったものが一般的になっています。
この自動車保険の「走行距離区分」は3,000km以下や5,000km未満など、各保険会社によって最小値、数字の間隔、無制限の有無は違っています。
例えばソニー損保の走行距離区分を見てみると3,000km以下、5,000km以下、7,000km以下、9,000km以下、11,000km以下、16,000km以下、無制限と全部で7区分にまで細分化されています。
アクサダイレクトでは5,000km未満、5,000km以上10,000km未満、10,000km以上の3区分とシンプルで、走行距離区分だけを見てもそれぞれの保険会社で特色のあるものになっています。
…とはいえ、保険料の金額は複数の要素によって決まるので、走行距離区分が小さいところほど保険料が安い…と単純なものでもないのでご注意。
走行距離が短い場合、走行距離区分を採用している保険会社で保険料が有利になることは多いですが、自動車保険の見直しは複数の会社で見積もるのが基本となっているため、走行距離区分の有無だけで判断しないようにしましょう。
走行距離10万kmという目安
一昔前には定番となっていたのが「10年10万km」という目安で、「おおよそ車の寿命の目安」として考えられており、今でも広く定着してしまっている数字となっています。
絶対的な基準ではないのですが、樹脂製(ゴム製)のタイミングベルトでは交換時期の気になるタイミングでもあります。
車の売却に関する項目でも触れましたが、10万kmオーバーの車はかなり低い評価となりますが、人気車種や大切に扱った車であれば、一昔前よりもしっかりと評価してくれる買取店も増えており、10万kmという目安に対する評価は変わりつつあると思います。
しかし、一度根付いた印象は相当に根深いもので、10万kmは避けたいといった買い手も少なくない→買い手が少なくなる→査定額を出しづらい…といった部分もあるため、それはある程度考慮しておいたほうが賢明だといえます。
国内では評価の下がりがちな10万kmという目安ですが、近年では海外輸出専門、解体専門、事故車専門、過走行車専門など様々な専門買取店も増えたため、車の状態にあった買取店を利用すれば、意外に高額で売却できたという例も少なくありません。
…ちなみに、車の市場価値は複数の要素から判断するため、「10万kmなんだけどいくらになる?」といった質問は多いですが、基本的に走行距離だけでは判断できません。
例えば3万kmという走行距離は何年でこれに達したかということが重要で、走行距離だけでなく年数も含めた2つの点から判断します。
5年で3万kmなら年6,000kmなので市場価値は悪くないと考えられますが、2年で3万kmなら年1万kmを超えるのでマイナス査定となる…といった感じで考えることができます。
車の売買での走行距離は常に年数とセットで考慮するようにしましょう。
走行距離に限界は存在するのか?
走行距離の話になると限界についても気になる人は多いようです。
一昔前には10万kmがおおよその寿命の目安として広まっていましたが、車の技術が急速に進化したことや情報化社会により車に関する知識が入手しやすくなったことも関係してか、身近な人でも「10万km超えでもまだ現役」という車が増えました。
走行距離といえばとても身近なものがタクシーで、日々の業務からかなりの走行距離になることが容易に想像できるかと思います。
タクシーの走行距離は30万km・40万kmを超えても、現役で使用されることが少なくないといわれています。
一般的な自家用車の倍以上の距離を走っていることになりますが、同時に客を乗せるという責任があるため、しっかりとしたこまめなメンテナンスがされており、これによって長期的に使用可能なコンディションに整えられているといわれています。
走行距離についてあまり知らない人が、身近なタクシーでも30万kmという話を聞けば、なかなか驚きの数字になるのではないかと思います。
しかし、この項目の本題でもある「走行距離の限界」の話をすると、世界では約半世紀をかけて400万kmに到達し、今なお現役で使用されている車もあるため、現状では限界はないというのが結論になるかと思います。
桁の入力間違いではなく400万kmです。
この車もこまめなメンテナンスによって到達した記録とされていますが、このレベルになるとメンテナンスだけでなく、トラブルの起こりにくい車に巡り会う運も必要かもしれませんね。
ギネスに認定された走行距離の話
前項目でも触れた400万kmという飛びぬけた記録はギネスにも認定されています。
もう少し詳細を書くと、アーヴ・ゴードン氏(アメリカ人男性)が1966年に購入した「ボルボ P1800」で、1987年に100万マイル、2002年に200万マイル、2013年には300万マイルという圧倒的な最長記録でギネスに登録されています。
1マイルは1.60394kmなので300万マイルなら480万kmを超えたことになります。
47年で480万km、半世紀という長い年月をかけて到達された前人未到の記録となっていますが、単純計算でも年10万kmになるので過走行なんてレベルではありませんね。
他にもこれと同じく走行距離の話で有名なのは、ジョー・ルーシセロ氏(アメリカ人男性)が1996年に購入した「ホンダ アコード」で2012年に100万マイル(160万km)を達成。
ビクター・シェパード氏(アメリカ人男性)が2007年に購入した「トヨタ タンドラ」で、購入から9年後の2016年に100万マイルを達成しています。
車は大切にすれば必ず応えてくれるというものでもありませんが、メンテナンスを怠らなければ10万kmオーバーでも走り続ける可能性が高くなるのは間違いありません。
「なるべく長く!」が目標ならこまめなお手入れを心掛けるようにしましょう。

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サービス情報 | 買取業者情報 |
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買取形式:競売 | 業者数:2,000以上 |
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入力項目:7項目 | 業者選択:- |
入力目安:30秒 | 対応地域:全国 |
売却実績①…トヨタ プリウス | ||
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年式 2016年 | 走行距離 9,906km | 査定日 2018年2月 |
+39万円の175.6万円で売却成立。 | ||
売却実績②…トヨタ アルファード | ||
年式 2012年 | 走行距離 34,242km | 査定日 2018年6月 |
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