下取ならディーラー、買取ならガリバー、ビッグモーター、カーセブンなど選択肢が多過ぎて、「結局どこでクルマを売るのがいいの?」…と悩む人も少なくありません。
…ということで、ここでは「クルマを売るならどこで売るのがいいのか?」…について、売却先を決めるのに役立つ情報をまとめています。
車を売るならどこがいいのか?
「どこが【より良い】のか?」…というのは利用者の売却目的次第ですが、基本的に手間を減らしたいなら下取、少々手間でも平均10万円以上違ってくるのが買取です。
…しかし、買取といっても選択肢はまだまだ多いです。
個別に1店舗ずつ買取店を巡って売却金額を比較するのもありですが、各所で取引交渉や査定を行なうのでかなりの手間がかかります。
最近はネットを活用して複数業者にアプローチをかける一括査定があり、システムで効率良く売却先を絞り込むことができます。
また、一括査定で各業者との交渉に不安を感じる場合、近年登場したオークションスタイルで各業者との直接交渉なしで競合してもらえるサービスもあります。
■ 下取 | |
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ディーラーを通じて行なう売却方法。あまり高値にはならないが手間は少ない。 | |
■ 買取 | |
ガリバーやビッグモーターなどで行なう売却方法。下取よりも手間はかかるが売却金額が高くなりやすい。 | |
各買取店を自分で巡って査定金額を比較する方法。買取の中でも最も手間がかかりやすい。 | |
一括で複数業者に出張査定を依頼する方法。提示される金額の中で高い金額を選択できる。 | |
買取業者ではなく中古車販売店に直接入札してもらう売却方法。買取の中では手間が少ない。 |
いずれにしても目的が「なるべく高く売りたい」…であれば、買取サービスは優先的にチェックしておきたい売却方法になるでしょう。
目的によってどこで売るかは大きく違ってくるので、まずはしっかりと売却目的を明確にしておくことがすすめられます。
…とはいえ下取には下取ならではのメリットがあり、売却金額の高さが魅力的な買取にもデメリットはあります。
ユーザーの目的に合ったサービスを選択できるよう、以降の各項目でさらに詳しく解説しているのでよければ参考までにご覧ください。
車をどこで売る?【買取編】
買取で高額査定に期待できる理由のひとつが流通ルートです。
買取業者はそれぞれで独自の国内流通ルートや海外流通ルートを持っており、常に市場に精通した感覚で取引を行なっているため、下取よりも高い売却金額を提示できるケースが多くなります。
もちろん良い点だけではないので以下の一覧で特徴を確認しておきましょう。
メリット | 一括で複数の業者にまとめて依頼可能 各業者が無料で出張査定してくれる 複数の買取業者から最高額を選択できる |
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デメリット | 申し込み後にかかってくる電話対応 業者とのスケジュールを合わせる作業 複数の買取業者と行なう直接的な交渉 |
買取と海外ルートの話
日本にいると当たり前になって自覚しにくいですが、日本車は世界的に見ても壊れにくく頑丈で胸を張れるほどの傑作品と呼べるもの。
国内では低評価となってしまう10年落ちなどの低年式車、走行距離10万km超の多走行車、修復歴のある事故車であっても海外での需要は高いです。
海外ルートを持つ買取店は利益を出しやすいので買取相場も高くなりやすく、ますます売却金額優先なら下取よりも買取がおすすめになるわけです。
グーネットの「輸出統計情報」によると、2016年は1,187,710台、2017年は1,297,660台と2012年以降は年間輸出台数が常に100万台を超えており、これが買取相場の底上げにつながっているのです。
車買取ランキングにご注意
クルマをどこで売るかを悩んだとき、参考にしたくなるのが車買取ランキングですが、注意点は「上位=高額査定ではない」…ということ!
ランキングは広告費を支出した会社が有利になりやすい傾向があり、ランキング作成者の思惑が加わることもあるなど根拠や真偽は不明なケースが多いです。
車買取ランキングといえばオリコンは有名ですが、自分の体験や他者の体験談を確認してもランキング上位や大手が最高額というわけでもありません。
地元の中小企業がポンッと最高額を出すこともあるので、大手に限らず複数(最低でも3社、最高でも5社あれば十分)を比較することが売却先を決めるコツです。
なぜ最低3社で比較?
これはクルマをどこで売るかの重要ポイントで、車選び.comの「クルマを高く売るための10の掟」や各関連サイトでも掲載されている定番の理論です。
比較対象が多いほど高額になる可能性はありますが、正直10社や20社になってもほとんど大差はなく、労力に見合うだけの差額が生じることはありません。
そこで程よいのが最低3社という件数で、ある程度高額が期待できるクルマや余力があれば5社程度まで増やすといった感じがよいかと。
接客の良さだけで判断しない!
丁寧な接客対応をされると二つ返事で売却を決める人もいますが、接客対応の良さ=高額査定…というわけでもありません。
もちろん対応が良いに越したことはありませんが、接客対応、知識、セールストークが並でも、高値を付けてくれる業者はいるので安易な即決にはご注意。
関連記事:「実は存在しない?おすすめ車買取店の注意点とは?」
買取で便利な一括査定
他社と査定金額を競わせ、高値を効率良く引き出せるのが一括査定です。
一括査定は申し込み後に複数業者から一斉に電話がかかるので、流れを知らないと少々驚きますが、知ってさえいれば複雑なことはありません。
一括査定の基本的な流れ |
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① 申込…10項目前後、約30秒~2分程度で車体情報などの必要項目を入力。サービスによっては目安となる概算査定金額が提示される場合も。 |
② 電話…申込後は即電話をかけてくる業者、一呼吸置いてからの業者などありますが、ここで査定を行なうための日取りを打ち合せ。 |
③ 査定…各業者がユーザーのクルマを直接確認(実査定)し、その場で査定金額(買取金額)が提示されます。 |
④ 交渉…すでに他業者から提示された査定金額があれば、それを参考に各業者と交渉を繰り返し、どこで売るかを任意で決定。 |
一括査定は査定金額の比較こそ主な目的なので、最低3社(最高でも5社あれば十分)で金額を比べるようにしましょう。
…つまり、一括査定は手間よりも売却金額重視でどこで売るかを検討したとき、店舗巡りをする手間を省いて売却先を決められる効率良いシステムというわけです。
複数の業者とのやりとりや競い合わせるという手間は必要ですが、それが10万円以上の違いになるケースも少なくないのでやはりおすすめの売却方法です。
一括査定の電話はデメリット?
一連の流れを知らずに申し込むと、各業者からの電話に驚く人もいますが、流れを理解していれば実はそれほど大した手間でもありません。
例えばズバット車買取比較やカーセンサーのようなサービスでは業者の絞り込み機能を備えているので、かかってくる電話の件数も任意の件数にできます。
また、ユーカーパックのように電話も査定も1回だけというサービスもあるので、事前に特徴を把握して選べば、電話対応は大したデメリットにはならないのです。
関連記事:「電話なし&メールのみ!一括査定の手間を減らす裏技」
相場の事前調査は推奨!
この記事の後半でも紹介しますが、手軽なシミュレーションツールが使えるズバット車買取比較、詳細な売却実績を掲載しているユーカーパックは参考になるので、こういったサイトで買取相場を下調べしておくのが効率的です。
ただし、クルマは同じような使い方をしてもわずかな違いで査定金額は高くも安くもなるため、そういった事情を含めて参考にするのがいいでしょう。
…補足ですが、売却意欲の弱い顧客に対して買取業者は積極的に高値を付けない傾向にあるので、事前調査で意欲を高めておくのにも役立ちます。
車をどこで売る?【下取編】
クルマの売却方法において、おおよそ半数以上の人が選んでいるといわれているのが下取という選択肢です。
メリット | 車の売却にかかる手間が最も少ない 売却と購入が一括なので手間が少ない 買取店で拒否された車も処分してくれる 引き渡しと納車の日程を合わせやすい |
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デメリット | 買取店に比べて査定額が安くなりやすい 他社のメーカーだと査定が安くなりやすい 純正品以外の装備品はまず評価されない 値引きの調整で査定額がよく分からない |
そもそも下取というのは新車の購入金額に充当されるため、ディーラーから新車を購入しなければ利用できない売却方法です。
しかし、新車購入の手続きと同時並行で乗り換え手続きができるため、売却方法の中では手間の少ない選択肢といえるでしょう。
デメリットは売却金額が安くなってしまうこと。
「下取よりも買取を!」…と、よく言われるのはこれが大きな理由ですが、だからといって下取に利点がないわけでもありません。
「売却金額が安くても手間を省きたい!」…という場合、買取よりも目的に合った売却方法になるでしょう。
下取と買取の売却金額の違い
買取のアンケート調査結果
ウェブクルーのアンケート調査で、下取より買取が高かったと回答したのは91.5%、査定金額の差額は平均して177,693円という結果が明らかに!
以下の一覧は車のタイプ別平均査定差額の一覧です。
タイプ | 回答数 | 平均 査定差額 |
---|---|---|
軽自動車 | 154 | 115,909円 |
コンパクト、ハッチバック | 101 | 142,475円 |
ミニバン、ワンボックス | 195 | 217,743円 |
セダン | 88 | 193,409円 |
ワゴン、ステーションワゴン | 53 | 162,075円 |
SUV、クロカン | 57 | 238,070円 |
スポーツ、クーペ | 24 | 230,417円 |
全体 | 672 | 177,693円 |
(※ 出典 「車買取・下取りに関するユーザーアンケート調査」 ウェブクルー)
回答数が多くはないので多少の偏りがあるとしても、そこそこの手間で平均10万円以上の違いになるという点には大きな魅力を感じてしまいますね。
下取が安くなる理由とは?
販売台数とインセンティブ
そもそもディーラーは新車販売が本業であり、販売台数が一定数に達することでメーカーより「インセンティブ(販売奨励金)」が支払われます。
つまり、販売台数の達成状況によって会社の売上は大きく違ってくるため、本業である販売の方に力が注がれるのは自然なことですね。
利益を出すためのシステム
車買取サービスは各社が構築したシステムの上で競合しているため、それと競うためにはそれなりの仕組みが必要になることも必然です。
買取業者のように流通ルートを持たない状態では、買取業者と同じように買い取っても利益を出すことは難しいのです。
査定の基準の違い
買取では市場に精通した専門業者が査定金額を提示しますが、ディーラーの下取は「JAAI(日本自動車査定協会)」が発行するイエローブックに準拠した査定金額を提示することが一般的です。
しかし、これは市場動向というよりは最低限での査定しか行なわれないため、提示される下取価格は基本的に買取よりも安くなります。
海外でも需要の高い低年式車や多走行車などはディーラーの下取では0円などのように極端に低い査定金額になってしまうケースが多くなります。
おすすめの買取サービス4選
買取サービスにもそれぞれで向き不向きの特徴があります。
自分に合った買取サービスを選べば、スムーズに売却先を決めやすいですが、その特徴を理解せずに勢いで申し込むと損する可能性もあるのでご注意!
…ここでは特に代表的な買取サービスとその特徴や違いなどを明確にしているので、自分が重視したいポイントに合ったサービスを探してみましょう。
■ ズバット車買取比較
2003年運営開始、2018年に利用者数150万人を突破。
車買取に関する実用性の高いコンテンツの多さが魅力。
サービス情報 | |
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買取形式:一括 利用料金:無料 入力項目:7項目 入力目安:45秒 | 概算査定:○ 相場情報:○ 実績情報:△ – |
買取業者情報 | |
提携業者:220社 査定依頼:最大10社 | 業者選択:可能 対応地域:全国 |
買取サービスとしては提携業者数が200社以上とそこそこの業者数で、業者選択も可能なので機能面は充実しています。
あと、特に嬉しいのは情報コンテンツの豊富さ。
この記事でも紹介した買取金額の調査データの他にも各種統計資料や、買取相場用のシミュレーションツール(概算)を会員登録なしの匿名&無料で閲覧できるため、車買取の情報収集には重宝するサービスです。
ちなみに、手軽に利用できる買取相場用ツールは、独自に算出される分析数値、簡単に言うと平均値みたいなものなので、精度が高いというわけではありませんが、使用方法が簡単で手間なしの点を考えると十分な使い勝手。
■ かんたん車査定ガイド
2007年運営開始、2017年に利用者数280万人を突破。
優良企業限定なので初心者に優しいというのが特徴。
サービス情報 | |
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買取形式:一括 利用料金:無料 入力項目:9項目 入力目安:45秒 | 概算査定:○ 相場情報:△ 実績情報:△ – |
買取業者情報 | |
提携業者:42社 査定依頼:最大10社 | 業者選択:不可 対応地域:全国 |
運営会社であるエイチームライフスタイルは東証一部上場のエイチームのグループ会社で、査定申し込み後はすぐに概算査定が提示されます。
厳選な審査をクリアした優良な「JADRI(日本自動車流通研究所)会員のみ」なので、買取のトラブルが起こりにくいというのがメリット。
(※ 車買取のトラブルについては別記事の「対策方法バッチリ公開!車買取トラブルの相談事例6選」に、いくつか代表的な事例を掲載しているのでよければ参考までに。)
ただし、優良企業に絞っているため提携業者数は他サービスと比べて少なく、地域によっては一括査定の利点を活用できない可能性がある点にはご注意。
■ カーセンサー
リクルートグループが運営する大手の買取サービス。
圧倒的な提携業者数の多さと絞り込み機能の相性が抜群!
サービス情報 | |
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買取形式:一括 利用料金:無料 入力項目:15項目 入力目安:90秒 | 概算査定:× 相場情報:△ 実績情報:△ – |
買取業者情報 | |
提携業者:1,000以上 査定依頼:最大30社 | 業者選択:可能 対応地域:全国 |
買取サービスの中でも圧倒的な提携業者数の多さが魅力で、一括査定ならではの「売却金額の比較」の魅力をがっつり引き出せます。
提携数が多いので特定地域においても複数業者を比較しやすく、逆に激戦区などで依頼業者数が多過ぎる場合でも、絞り込み機能でその数を調整できます。
絞り込み機能は任意のこだわり条件で利用することも可能で、提携業者数の多いカーセンサーでは特に使い勝手が良くなりますね。
あと、車買取に関する情報コンテンツは基本的なものだけなので、読み物として参考にするならズバットの方が向いているかなと思います。
■ ユーカーパック
一括査定ではなく独自のオークションシステムを利用できる買取サービス。
一括査定よりも手間が少ないので初心者にも優しく、オークションシステムにより少ない手間で売却金額が競り上がるという総合力の高いサービスが魅力。
サービス情報 | |
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買取形式:競売 利用料金:無料 入力項目:7項目 入力目安:30秒 | 概算査定:○ 相場情報:○ 実績情報:◎ – |
買取業者情報 | |
業者数:2,000以上 査定依頼:査定1回 | 業者選択:- 対応地域:全国 |
関連記事:「電話も査定も1回で競売に!ユーカーパックの流れ&デメリット」
一括査定とは違って業者からの電話&査定は1回だけ。
2,000社以上の中古車販売店に直接オークションに参加してもらい、直接交渉などの手間をかけずに買取金額を競ってもらえます。
(※ 2018年8月時点ではなんと5,000社以上に。2018年5月の車種別平均入札件数はトヨタ ハイラックスサーフが1位で34.4件、トヨタ アルファードが29.1件。)
内装、装備品、品質評価情報などのかなり詳細な売却情報を閲覧可能で、こちらも事前調査にとても便利。
2016年開始と後発組ながら2018年8月時点で申込件数は9万人を突破。
…ここまでの紹介でも明らかなとおり、買取サービスと一口にいってもこれだけの違いがあるわけです。
売却金額を重視するなら買取サービスの利用はおすすめですが、どこで売るかについてはこれらのサービスの特徴を把握してから判断することがすすめられます。