「カーシェアならガソリン代込み!」…といった話も聞きますが、実際に利用するときは「給油は誰がするの?」「ガソリン代は立替払い?」など気になる人もいるのではないかと。
ここではカーシェアの給油やガソリン代、割引特典など関係するもの全て解説。
給油は会員が一定のタイミングで
ガソリンを給油するのは会員同士が行うことが基本となります。
カーシェア各社ではそれぞれ給油のタイミングとなる目安を決めており、それは公式サイトに掲載されているので確認しておきましょう。
例えばdカーシェアなら3分の1以下、カレコなら2分の1以下となっています。
それぞれで複数のガソリンスタンドを利用できるように体制を整えていますが、給油する手間や時間はユーザーの利用時間を削ってしまうことになります。
そのため、給油を行なった場合は「給油割引特典」が付与されるようになっており、給油に要した時間が損につながらないようになっています。
(※ ただし、割引には一定条件があるので、詳細はあとの項目で解説します。)
ガソリン代を直接払うことはない
ガソリン代についてはユーザーが直接負担することはありません。
各社でそれぞれ手続きの流れは若干違ってきますが、いずれにしてもガソリン代は最終的に運営会社が全額負担するにようになっています。
基本的にはカーシェア専用車両の中には「給油カード」が載っているので、給油の際はこのカードを使って給油を行なうという流れになります。
(※ 利用するカーシェアで対応するガソリンスタンドは違ってくるのでご注意。)
割引特典が適用されるまでの流れは少し違いますが、これで15分相当割引額や300円の電子クーポンがもらえます。
レンタカーでは「ガソリン満タン返し」が一般的となっているので、ここがカーシェアとレンタカーの大きく違うところになりますね。
関連記事:「使うならどっち?カーシェアリングとレンタカーの違い」
ガソリン代に関する統計や調査
せっかくなのでガソリン代に関する参考資料を掲載。
総務省の調査によると2010年~2012年の月別平均給油量が43.3L、2012年の年間給油量が510L、同年の年間ガソリン支出額が72,000円となっています。
これは地域や使い方によって大きく違ってくるため一概にまとめるのは難しいですが、それでもカーシェアなら年間でこれくらいのガソリン代節約につながりそうですね。
(※ 出典:「家計ミニトピックス – ガソリンへの支出」 総務省統計局)
また、タイムズカーシェアの運営会社が2015年に行なったアンケート調査「カーシェアリングに関するアンケート」では、非ユーザーがカーシェアを利用しない理由に「料金が高そうだから」という選択肢が割と多く含まれていました。
しかし、ユーザーの「満足している点」では、「ガソリン代など維持費がいらず料金が安い」が53%で2位、「保険料・ガソリン代が含まれるので余計な費用がかからない」が42%で4位と、料金面で高い満足度を得ていることも明らかにされています。
(※ 出典:「カーシェアリングに関するアンケート」 タイムズ24)
給油やガソリン代に関する注意点
燃料不足によるNOCにご注意!
燃料不足により車両が走行不能な状態になってしまうと、「NOC(ノン・オペレーション・チャージ)」が生じることになるので注意しておきましょう。
NOCとは「営業損失補償」を意味する略称で、その車両を動かせなくなった期間に応じ、その損失分をユーザーが負担するというペナルティーのようなものです。
また、燃料不足によって自走不能状態に陥ってしまうと、運営会社による緊急出動が必要となり、それに要した実費も必要も加算されることになります。
…カーシェアでは会員同士がマナーやルールを大事にし、利用時間、清掃、給油など自分よりあとに利用する人のことも考えて利用することが大切です。
NOCについては別記事の「万が一の補償に!カーシェアリングの保険の特徴」に書いているので、詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。
うっかりの多い燃料違いに注意
最も多いのは「ガソリン車に軽油を給油」ですが、「ディーゼル車にガソリンを給油」といったケースも少なくないのでご注意ください。
対応する油種と異なる油種を給油してしまうとエンジン停止につながり、車両は走行することができなくなります。
(※ 厳密には適応する油種の残量分がなくなるまでは走行することができるので、異なる油種を給油してもその直後に停止するというわけではありません。)
…これも前項目の「燃料違い」と同じくNOCに該当する事例となります。
ちなみに、車に関してそれなりの知識がある人でも、仕事のことなど考え事をしながらでうっかりやってしまうことも少なくないそうです。
また、カーシェアでは普段運転する車種とは異なる車種を運転できるというのが魅力的ですが、これは油種違いを起こす要因にも繋がるため注意してください。
関連記事:「車種比較!カーシェアリング4社の高級車・ミニバン他」
ガソリン代と距離料金の違い
ここで少し小話を挟むと、「カーシェアはガソリン代込み」…と思われがちですが厳密には違っており、カーシェアでは独自に「距離料金」という料金システムがあります。
…これはガソリン代に似たような「代わりのもの」と呼べるでしょう。
距離料金は1km16円といった感じで走行距離1km当たりに課せられる料金となっており、ガソリン代や燃費から比較しても若干割高な印象。
カーシェアでは6時間以内の利用では距離料金0円/km、6時間を超えると距離料金16円/kmといった感じで加算されることが多くなっており、距離料金が加算されない6時間以内の時間帯での利用割合は多い傾向にあります。
カーシェアを利用するなら距離料金も確認しておくべき料金システムとなっているので、詳しくは「カーシェアの距離料金とは?カレコやタイムズを比較」を参考にしてください。
給油すれば割引特典が付与される
ここでは最初の項目でも触れた「給油割引特典」について解説。
給油を行なうにはそれなりに手間や時間が必要になるため、カーシェアでは給油によってユーザーの利用時間が損しにくいよう施された独自の工夫となっています。
これは満タン返しが基本となっているレンタカーにはない特典ですね。
…注意点としては手順を間違えないこと。
そうはいってもそんなに難しい手順ではありませんが、各社公式サイトに掲載されている手順通りに行なわないと、給油割引特典を受けることができません。
そのため、利用する前に手順は一通りチェックしておくことがすすめられます。
ここでも各社の給油特典や給油手順など、簡単にまとめたものを以降の各項目で紹介しているので参考にしてください。
dカーシェアの給油
提携しているオリックスカーシェアと内容は同じ。
給油の際はグローブボックス内にある「給油カード」を使います。
給油目安 | 3分の1以下 |
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給油方法 | 給油カード |
給油対象 | ENEOSなど6社 |
給油報告 | 必要(給油申請リンクより) |
給油特典 | 15分相当額(パック対象外) |
給油カードが利用できる対象のガソリンスタンドはエッソ、ENEOS、コスモ石油、昭和シェル、ゼネラル、モービルの6社。
給油目安は「3分の1以下」、給油割引特典は「15分相当額の割引」。
車両返却後に送信される「利用完了通知」に、「給油申請」のリンクがあるのでそこから申請を忘れずに行ないましょう。
給油申請の受け付けは翌日までとなっており、申請がなかった場合、つまり給油するだけでは割引特典を受けることはできません。
…また、この給油割引特典はパック全般(6時間パック、12時間パックなどの時間パックや夜間パック)が割引対象外となっています。
つまり、パック利用中に給油してもその利用料金は割引されないのでご注意!
タイムズカーシェアの給油
こちらも給油の際には車内にある給油カードを使ってください。
給油目安 | 半分程度 |
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給油方法 | 給油カード |
給油対象 | ENEOSなど8社 |
給油報告 | 不要(自動検知) |
給油特典 | 15分相当額(パック対象外) |
給油カードが利用できる対象は出光興産、エッソ、ENEOS、キグナス石油、コスモ石油、ゼネラル、太陽石油、モービルの8社となっています。
給油目安は「半分程度」、給油割引特典は「15分相当額の割引」、ただし特典付与には20リットル以上の給油が必要となっています。
dカーシェアと同じく時間パックや夜間パックには割引が適用されず、パック利用中の給油では特典が付与されません。(パックの延長も対象外)
割引対象となるのはショート利用時の給油のみです。
タイムズカーシェアでは給油を自動検知する仕組みが採用されており、車両返却後に給油申請などを行なう必要がありません。
詳しくは「タイムズカーシェアの公式サイト」をご覧ください。
手間を考えると自動検知システムはとても便利ですね。
カレコの給油
車両に載っている「車内マニュアル」のホルダーに給油カードがあるので、給油の際はこのカードを使用してください。
給油目安 | 2分の1以下 |
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給油方法 | 給油カード |
給油対象 | ENEOSなど6社 |
給油報告 | 必要(レシート入れより) |
給油特典 | 300円分のカレコクーポン |
給油カードが利用できる対象のガソリンスタンドはエッソ、ENEOS、コスモ石油、昭和シェル、ゼネラル、モービルの6社でdカーシェアやオリックスカーシェアと同じ。
給油目安は「2分の1以下」、給油割引特典は「300円のカレコクーポン」、特典の付与には10リットル以上の給油が必要となります。
(※ 利用毎なので20リットル給油しても付与されるのは1回だけ。)
給油後はレシートに会員IDを記載し、車内マニュアルの「給油レシート入れ」というホルダーに入れておきます。
割引特典は翌月以降に付与され、利用可能なタイミングになると自動的にクーポンが使用されるという仕組みになっています。
割引対象は「パックを含めた全時間料金(距離料金も含む)」となっており、月額の値引きに利用することはできません。
他社では15分相当額といった時間割引でしたが、カレコは300円という金額割引になっており、割引できる対象にパックが含まれるなど他社とは若干異なる特典になっています。
詳しくは「カレコの公式サイト」をご覧ください。
関連記事:「料金比較!カーシェアリング4社の最安料金とは?」
給油割引特典を比較してみると?
カーシェア各社の給油割引特典をまとめると以下のようになります。
カーシェア各社 | 給油割引特典 |
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dカーシェア | 15分相当の時間割引 …パック対象外 …スタンダードなら220円分 …デラックスなら320円分 |
オリックスカーシェア (個人Aプラン) | 15分相当の時間割引 …パック対象外 …スタンダードなら200円分 …デラックスなら300円分 |
タイムズカーシェア | 15分相当の時間割引 …パック対象外 …ベーシックなら206円分 …プレミアムなら412円分 |
カレコ | 300円の金額割引 …パックにも利用可 |
給油割引特典は大きく分けると時間割引と金額割引の2つ。
dカーシェア、オリックスカーシェア、タイムズカーシェアは時間割引タイプになっており、パックは時間当たりの料金単価が安く設定されているので、割引の対象にすることはできないというスタンスのようです。
…こうやって比較してみるとスタンダードやベーシックなどの基本プランではカレコの300円分の方がお得になり、プレミアムクラスの412円分は時間割引が良さそうですね。
例えばカレコでは「ベーシック&コンパクト」が10分毎130円となっているので時間にすると20分以上の特典、「ベーシック&ミドル」が10分毎150円となっているので、時間にすると20分ちょうどと時間に換算すれば他社よりもちょっとだけお得に。
さらに、「平日&コンパクト」なら10分毎80円なので、平日限定という条件は付きますが30分以上とかなりお得。「平日&ミドル」が10分毎100円となっているので、時間にすると30分ちょうどとこちらもお得な計算になりますね。
…ただし、ベーシックプランや平日プランのプレミアムクラスは10分毎240円となっており、この場合は15分相当を下回るので時間に換算するとちょっと損する計算に。
低コストのプランを利用するなら金額割引のカレコ、ちょっといい車種を利用する場合は時間割引が有利になりやすいので参考までに。
関連記事:「カーシェア支払方法…クレジット不要?デビットの可否」

2017年9月に業界初の全国展開を達成しており、利用可能な地域が最も多いため、国内旅行に適したカーシェアといえるでしょう。
また、2018年7月には単独で会員数100万人を突破したことが発表され、カーシェア業界では圧倒的なシェアを獲得しています。
サービス情報 | その他の情報 |
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対応地域:全国 | 最短利用:15分~ |
車種:30車種以上 | 予約単位:15分毎 |
通常料金:最安206円 | 給油割引:15分相当 |
ポイント:100円で1P | 学生プラン:あり |
最短15分で15分毎の料金は206円。パック料金は全車種共通となっており、料金プランはとってもシンプルなのが特長。
3種類の夜間パックは使い勝手が良く、24時間利用可能というカーシェアのメリットとの相性もいい感じです。
ステーション数は1万箇所を超えていますが、毎月の新規オープンや増車の数は多く、利用できる地域は今後もさらに増えていくことが期待されます。
カーシェア大手のひとつですが展開は東京23区を中心としているため、利用できる地域が限定されてしまうのがやや難点。
サービス情報 | その他の情報 |
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対応地域:11都府県 | 最短利用:30分~ |
車種:60車種以上 | 予約単位:10分毎 |
通常料金:最安80円 | 給油割引:300円分 |
ポイント:200円で1P | 学生プラン:あり |
しかし、通常プランでは10分毎130円、平日プランではなんと10分毎80円と圧倒的な格安プランが魅力的。
料金の自動計算で最安適用、夜間パックの6時間返却で距離料金無料、給油割引での金額割引など、とにかく料金面と相性の良い独自サービスが多く、価格重視のユーザーには最もおすすめのカーシェア。
また、取り扱っている車種は60以上と業界でもトップクラスの多さで、レクサスやベンツ、ロードスターなど普段乗れないクルマを楽しめます。