ニュースでも度々大きく取り上げられるような悲惨な事故が多発したため、飲酒運転をした人やそれに関係した人には、以前よりずっと厳しい処分が下されるようになりました。
2006年に福岡県で起きた交通事故や、2015年に北海道で起きた交通事故は特に印象深かったように思います。
今回はそんな飲酒運転に関して色々と触れていきたいと思います。
飲酒運転による点数と罰金
大きな死亡事故が後を絶たないことから、飲酒運転をした運転者本人に限らず、それに関係した人も含めて飲酒運転による罰則は以前より強化されました。
飲酒運転をすれば最低でも免許停止処分、加えて刑事処分による懲役又は罰金となっています。以下の一覧は「行政処分歴0回の場合」の処分をまとめたもの。
種別 | 行政処分と刑事処分 | |
---|---|---|
酒酔い | 加点35点、免許取消、欠格期間3年 | |
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 | ||
酒気帯び | 0.25以上 | 加点25点、免許取消、欠格期間2年 |
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | ||
0.25未満 | 加点13点、免許停止、免停期間90日 | |
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
酒気帯び運転の「0.25以上」、「0.25未満」というのは、「アルコール検知器(俗にいう風船)」によるアルコール検査で、「呼気中アルコール濃度」が「0.15mg/l以上0.25未満」もしくは「0.25mg/h以上」で酒気帯びとなります。
行政処分歴(前歴)は免停や免取処分となった回数のことで、例え今回が初回であったとしても一発免許停止、場合によっては免許取消処分になることもあるということ。
※ 免停処分に関する詳細は「免停の点数と免停期間」にて。
道路交通法の改正により2007年9月19日から施行された罰則では、酒酔い運転、酒気帯び運転の懲役や罰金が引き上げられるなど、より厳しい処分が下されるようになっています。
酒酔い | 改正前…3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
---|---|
改正後…5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 | |
酒気帯び | 改正前…1年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
改正後…3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
飲酒運転に関係した人の罰則
これも2007年9月19日に施行された道路交通法に新設されたもの。
これまでは飲酒運転の関係者に対する直接的な罰則がなく、刑法による幇助(ほうじょ、手を貸す)、教唆(きょうさ、そそのかす)を適用していましたが、新たに直接的な罰則が規程されています。
具体的には飲酒運転するとわかっている人への酒類提供や車両提供、お酒を飲んでいると知りながら飲酒運転者に運転させた同乗者が対象となります。
これには一緒に飲んだ人や飲食店も含まれるということです。
車両提供者 | 飲酒運転をするおそれのある人に車両提供 | |
---|---|---|
酒酔い | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 | |
酒気帯び | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | |
酒類提供者 | 飲酒運転をするおそれのある人に酒類提供 | |
酒酔い | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | |
酒気帯び | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 | |
同乗者 | 運転者に飲酒を知りながら要求等した場合 | |
酒酔い | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | |
酒気帯び | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
※ 飲酒運転の同乗者については「飲酒運転の同乗者の点数や罰金 」にて、もっと詳しい解説をしているので参考にしてください。
酒酔いと酒気帯びとの違い
飲酒運転について調べると必ず出てくるワードが「飲酒運転、酒酔い運転、酒気帯び運転」の3つですが、この3つの違いは何なのかという話。
まずは酒気帯び運転について
酒気帯び運転は道路交通法により呼気中のアルコール濃度が一定の数値以上である状態をさしており、数値により明確に規定されています。
一定の数値以上とは呼気中のアルコール濃度が0.15mg/l以上が該当し、0.25mg/l以上であればさらに厳しい処分となります。
続いて酒酔い運転について
酒酔い運転は酒気帯びのように一定の数値が規定されているわけではなく、「正常な運転ができないおそれのある状態」をさしており、ろれつがまわらないなどの言動、まっすぐ歩けないなど運動機能の低下状態のこと。
例え呼気中アルコール濃度が0.15mg/l未満で酒気帯びの状態に該当しなくても、こういった状態にある人は酒酔い運転となり厳しい処分が下されます。
酒酔い運転は酒気帯び運転とは違って感覚的なものになりますが、ろれつがまわっていないとかまっすぐ歩けない状態で運転されるのはこわいですね。
最後に飲酒運転について
飲酒運転はアルコールの影響を受けている状態で運転することをさしており、酒酔い運転や酒気帯び運転を含めた広義的な意味をもっています。
呼気中アルコール濃度が0.15mg/l未満で、正常に車を運転できたとしても厳密にいえば飲酒運転です。
ただ、程度により道路交通法上で酒酔いと酒気帯びに分類しているというわけです。
飲酒による影響は実験により明らかにされていますが、集中力や注意力の低下、反応時間の低下などは、呼気中アルコール濃度が規定値の0.15mg/lを下回る状態であっても起こることが確認されています。
「ちょっと飲んだって正常な運転はできるから!」という人もいますが、リスクを低減させるためにはやっぱり全く飲まないことがベストということに。
関連記事:「まとめ!交通違反点数と反則金の一覧」
酒気帯びで検知される飲酒量とは?
酒気帯び運転の項目で規定されている基準値について。
呼気中アルコール濃度の規定値は0.15mg/lですが、具体的にどのくらいなのかというのを解説していきます。
どれだけ飲んだら酒気帯び?
これを知るためにはまず自分の体重を調べる必要があります。
日本で比較的多い年齢層である30代の平均体重は、「平成26年国民健康・栄養調査」によると男性69.2kg、女性54.6kgとなっているので、今回はこの数値を基本に試算してみます。
結論を先にいうと体重69.2kgだとビール1缶(350ml、度数5%)でアウト。
この場合の呼気中アルコール濃度は「0.152mg/l」。
当然ながらより体格の小さい女性もアウトで、数値は「0.192mg/l」。
計算式は以下の通り。
- ・アルコールの血中濃度(%)=(飲酒量×度数)/(833×体重)
- ・3.04%=(350ml×0.05)/(833×69.2kg)
- ・呼気中アルコール濃度=血中アルコール濃度×5
- ・0.152mg/l=0.0304×5
お酒が抜けるのに必要な時間
前の項目では飲んですぐなら1缶でアウトになるという結果でしたが、時間経過や睡眠時間を計算に入れた場合について。
これまた結論を先にいうと1缶(350ml、度数5%)なら2時間ちょっとが必要。
前の項目の条件と合わせて考えると、飲んでから吸収、代謝などを考えても1缶なら30分もあれば規定にはかからない状態になるということ。
その計算式は以下の通り。
- ・純アルコール量(g)=度数×量×0.8(アルコール比重)
- ・14g=0.05×350ml×0.8
- ・1時間に分解できるアルコール量(g)=体重(kg)×0.1
- ・6.92g=69.2kg×0.1
体内のアルコールを1時間に6.92g分解できるということは、14gを分解するのにかかる時間はおおよそ2時間2分になるというわけです。
アルコールが抜けるまでの時間についてのもっと詳しい解説や早見表などは「アルコールが分解されて抜ける時間」に掲載しているのでよければ参考に。
飲酒運転の厳罰化と統計データ
飲酒運転の罰則が強化される背景となった事件はいくつかありますが、特に大きなきっかけのひとつになったのは福岡の事件があるかと思います。
- 福岡海の中道大橋飲酒運転死亡事故
- 2006年8月25日、福岡市東区の「海の中道大橋」で、飲酒運転をした男性会社員の車が他の車に追突、追突された福岡市職員が運転する車は博多湾に転落、同乗していた3人の子供が死亡という事件。
当時は連日大きく報道されていたので記憶にある人もいるかと。
この事件の後、2007年には刑法や道路交通法が改正されていますが、間違いなくこの事件の影響もあったのではないかと思います。
この死亡事故や法律の改正が、飲酒運転による交通事故件数などに与えた影響は、以下の一覧でよく分かると思います。
種別 | 交通事故 | 死亡事故 |
---|---|---|
2005年 | 13,878 | 709 |
2006年 | 11,627 | 612 |
2007年 | 7,562 | 434 |
2008年 | 6,219 | 305 |
2009年 | 5,726 | 292 |
2010年 | 5,561 | 295 |
2011年 | 5,030 | 270 |
2012年 | 4,605 | 258 |
2013年 | 4,334 | 238 |
2014年 | 4,155 | 227 |
2015年 | 3,864 | 201 |
(出典 飲酒運転による交通事故件数の推移 政府広報オンライン)
比較して欲しいのは、やはり2006年と2007年の件数。
事件が与えた影響と罰則強化により2007年の交通事故件数は2006年の65.0%、死亡事故件数は70.9%と、どちらも前年の30%前後の低下となっています。
その後も飲酒運転に対する意識が世の気運として高まり、緩やかではありますが2015年まで右肩下がりという結果になっています。
関連記事:「精度が重要!アルコールチェッカーの特徴とおすすめ」

独自のオークションシステムで買取サービスを開始したのが「ユーカーパック」。
サービス情報 | 買取業者情報 |
---|---|
買取形式:競売 | 業者数:2,000以上 |
利用料金:無料 | 査定依頼:査定1回 |
入力項目:7項目 | 業者選択:- |
入力目安:30秒 | 対応地域:全国 |
売却実績①…トヨタ プリウス | ||
---|---|---|
年式 2016年 | 走行距離 9,906km | 査定日 2018年2月 |
+39万円の175.6万円で売却成立。 | ||
売却実績②…トヨタ アルファード | ||
年式 2012年 | 走行距離 34,242km | 査定日 2018年6月 |
+61万円の230万円で売却成立。 |
電話のやり取り&実査定は1回だけ!独自オークションで買取業者との直接交渉をする必要はなく、売り手が少ない手間で高く売りやすいという革新的なシステムが特長。
(※ 2018年5月の車種別平均入札件数はトヨタ ハイラックスサーフが1位で34.4件、トヨタ アルファードが29.1件、ホンダ ステップワゴンスパーダが29.0件という結果に。)
出張査定手数料、オークション出品料、成約手数料など完全無料で利用できるなどユーザーにありがたいサービス。

2000年に自動車保険の一括見積もりを開始した「保険の窓口 インズウェブ」は、東証一部上場のSBIホールディングスが運営しておりその利用者数は900万人を突破!
サービス情報 | 提携会社情報 |
---|---|
形式:一括見積もり | 見積依頼:最大20社 |
利用料金:無料 | 対応地域:全国 |
入力目安:最短5分 | ソニー、アクサなど |
実際に初めての一括見積もりで自動車保険料が安くなったという金額は平均30,035円!その中でも5万円以上安くなったという人はなんと約2割も!
(※ 2万円~3万円未満は18%、3万円~5万円未満は23%、5万円以上は19%)
一括見積もりに参加している会社はダイレクト型(通販型)自動車保険業界で好調なソニー損保をはじめ、アクサダイレクト、三井ダイレクト損保など最大20社が対象に。