車に関するトラブルで意外と多いのが給油間違い(誤給油)。
場合によってはエンジンに深刻なダメージを与えることも。
運転初心者が誤った知識で油種を間違えることもありますが、危険性を熟知した人でも考え事やうっかりなどで間違うことも多いのだとか。
軽油とガソリンの違いを知らない人も多いので、軽油とは?ガソリンとの違いは?そういった基礎知識や給油間違いについて解説。
そもそも軽油とは?
軽油という名称から「軽自動車用の燃料」と勘違いして、軽自動車に給油してしまうというトラブルが意外と発生しているそうです。
軽油はガソリンやハイオクと同じくもともとは石油からできたもの。
石油から不純物を除去したものが原油であり、原油から精製されるのが灯油、ガソリン、軽油、重油などの石油製品です。
軽油は石油製品のひとつである重油に対応して「比重」からつけられた名称であり、軽自動車の「軽」からもってきた名称ではないのです。
もともとは同じ石油から抽出されていますが、その性質は別物といっていいほど違うものになります。
軽油とガソリンの違い
軽油とガソリンの違いについてはいくつかありますが、特に給油間違いによる車への影響に関することを書いていきます。
軽油とガソリンの大きな違いは「引火点」と「発火点」。
「引火と発火」ちょっと似たような言葉ではありますが、この2つの違いが軽油とガソリンの明確な違いとなるわけです。
- ・引火点とは火をつけると燃える液体の温度
- ・発火点とは火がなくても自然発火する温度
…で、ガソリンと軽油の引火点と発火点は…
- ・ガソリンの引火点はマイナス43度、発火点は300度
- ・軽油の引火点は40度、発火点は250度
…となっています。
つまり、ガソリンの引火点はマイナス40度以下と非常に燃えやすく、軽油の引火点は60度とガソリンに比べて燃えにくいという違い、また、軽油の方が発火温度が低いといった燃焼する温度の違いがあるのです。
引火点についてわかりやすいのがガソリンですね。
一昔前のアクション映画などでは、ガソリンスタンドでの大爆発シーンが定番となっていましたが、揮発性が高く(常温で気体化しやすい)、火を近づけると一気に燃え広がりやすいという性質をもつ燃料です。
これは映画の中だけでなく現実にも起こりえることで、ガソリンスタンドに「静電気除去シート」を備えているのは、静電気から引火する可能性を低減させるため。
引火点が低いということは実際にこういった事故の可能性もあり、軽油のように引火点が高ければ逆にこれが起こりにくいということ。
こういった引火点や発火点の違いと関係してくるのが給油間違いによるトラブルです。
給油の間違いで起こること
「同じ石油からできた燃料で何の問題が?」
…と思う人もいるでしょうが、エンジンの構造上、油種が違うと走行できなくなり、これにより意外と大きな修理費用が発生することもあるので給油間違いには要注意!
ちなみに引火点に関する項目で爆発の話をしましたが、給油間違いをしても車が爆発なんてことはありませんので。
油種が違うと動かなくなる?
軽油はディーゼルエンジンを搭載したディーゼル車に使用する燃料でトラックやバスなどが多く、ガソリンはガソリンエンジンを搭載したガソリン車に使用する燃料で、一般的な普通自動車に多く、軽自動車もこれに含まれます。
給油間違いすると何故動かなくなるのか?
それがここまでに説明した発火点の違いやエンジンの違いによるもの。
最も簡単なところで説明すると、この2種類のエンジンの大きな違いがプラグ(点火装置)の有無になります。
エンジンの仕組みと違い
普段あまり触れることの少ない車のエンジンについて。
難しいことはなるべく省いて軽油とガソリンの違いをメインテーマに、簡易的にエンジンの違いを説明していきます。
プラグとは燃料に火をつけるための点火装置で、これを備えているのがガソリンエンジン。
ガソリンは引火点がとても低く着火させやすいため、エンジンの燃焼室内で圧縮させた後、プラグで点火してから発火という順序を繰り返します。
圧縮は温度を高めるためで、より高い温度で燃焼させると、さらに効率よく大きなエネルギーを得ることができるというわけです。
車はこれを繰り返して走っています。
しかし、ディーゼルエンジンには点火するためのプラグはなく、エンジンの燃料室内に空気を入れ、圧縮した空気に軽油を混ぜて自然発火させるという仕組みになっています。
異なる油種とエンジンの反応
給油で油種を間違うと前の項目で説明した流れでエンジンが動きません。
例えばよくあるのがガソリン車(軽自動車)に軽油を入れてしまうケース。
ガソリンエンジンはガソリンの燃えやすい性質を生かし、プラグで着火させるという仕組みになっていますが、引火点の高い軽油はプラグで点火させることができず、走行できなくなるというわけです。
…では逆にディーゼル車にガソリンを入れた場合なら?
ディーゼルエンジンは圧縮させることで温度を高め、自然発火させるという仕組みになっていますが、ガソリンは軽油よりも発火点が高いので自然発火しにくく、この場合もまた走行できなくなってしまいます。
これが分かっていると別物の燃料なんだな~という認識がしやすいかなと思います。
…で、
それでも給油間違いを起こした場合。
燃料タンクに残っている燃料分は通常通り走行することは可能ですが、残った燃料分がなくなった時点で燃料を燃焼させることができなくなり、走行不可能な状態に陥ります。
走行させたかどうかでも修理費用が大きく違ってくるため、油種を間違った場合は焦らず車を走らせないことがすすめられます。
給油間違いによる修理費用
ガソリン車に軽油を入れることは多いですが、こちらのほうがまだ大事に至りにくいのは燃料とエンジンの関係で、比較的簡単な整備ですむことが多いことから。
…もちろん給油間違い後は走行させないこと。
走行させなければ燃料タンク内の燃料を全て排出、タンク内の洗浄で1~2万円前後を考えていればよいかと。
走行させて車が停止した場合はエンジン内の洗浄も加わるため、状況によって幅はありますが10~30万円前後かかることも。
上記とは逆にディーゼル車にガソリンを給油した場合。
こちらも走行させなければ大きな痛手にはなりませんが、走行不可能になるまで走行させてしまった場合の被害はこちらの方が大きくなります。
軽油にはディーゼルエンジンに使用するために潤滑剤が添加されていますが、ガソリンには潤滑剤が添加されておらず、エンジンの燃料室内に軽油を噴射する「燃料噴射装置」に影響が及び、ガソリン車よりも修理費用は高額になる可能性が大きいです。
給油の入れ間違いにはなるべく注意したいですが、もしも油種を誤った場合は焦らずに車を走行させないこと。
無理して自分で運転して整備工場に行けばいいなんて考えず、整備工場にはレッカー車で移動してもらう方がいいです。
関連記事:「忘れたはNG?法定12ヶ月点検(1年点検)の費用と義務」
給油間違いに関するデータ
ロードサービスを提供するJAFの統計によると、2013年9月~10月までの2ヶ月間だけで200件以上という件数であることが明らかに。
JAF以外の依頼も含めて考えると年間で1,000件は優に超えることでしょう。
そんな給油間違いについてまとめたのが以下の一覧。
種別 | 件数 | 割合 |
---|---|---|
ガソリン車に軽油 | 114 | 44.2% |
ディーゼル車にガソリン | 54 | 20.9% |
不明 | 90 | 34.9% |
主な理由 | 件数 |
---|---|
勘違い、うっかり、急いでいた、考え事 | 58 |
普段乗らない車、社用車、代車、初めて乗った車 | 18 |
軽自動車は軽油だと思っていた | 16 |
ガソリンスタンド店員の間違い | 4 |
出典 給油入れ間違いによる救援件数集計 JAF
この記事の冒頭でも触れましたが軽油の「軽」を軽自動車用の燃料と勘違いしてしまったという件数が2ヶ月で10件以上に。
しかし、勘違いやうっかり、普段乗らない車と油種が違った場合など、分かっていてもちょっとしたミスによるものは70件以上とこれまた意外に多い結果に。
慣れた作業であっても考え事をしながらの給油には注意が必要です。
関連記事:「非会員でもOK!JAF料金(年会費)の必要性とは?」
給油間違いを防ぐ色の違い?
ガソリンスタンドではこうした給油間違いを予防するためにも、各油種に合わせて配色が違うという対策も施されています。
油種 | 配色 |
---|---|
ハイオクガソリン | 黄色 |
レギュラーガソリン | 赤色 |
軽油 | 緑色 |
※ 消防危第25号により規定。
色も全く別物でレギュラーや軽油などの名称も書かれているため、間違えにくいものにはなっているかと思います。
しかし、こうした配慮も覚え違いをしている場合や、考え事や慣れで作業すると全くの無意味にはなりますが。
近年では人件費削減のためにセルフ式のガソリンスタンドも増加傾向。自分で給油する機会はこれからも増えていくでしょうから、うっかりミスがないよう注意しておきましょう。
軽油とディーゼルについて
最近では知らない人にとっては混同しやすい軽油という表記を、「ディーゼル」という表記に変えているスタンドも増えているそうです。
ディーゼルというのは軽油の英語というわけではなく、一般的に軽油のことをさして使用され、口頭で使用する際も「軽油=ディーゼル」で問題ないのですが、厳密にはちょっと意味の違う言葉になります。
…ではディーゼルって一体何?
ディーゼルというのはディーゼルエンジンのことでエンジンの名称。ちなみにディーゼルエンジンはドイツの技術者「ルドルフ・ディーゼル」からついた名称です。
軽油はこのディーゼルエンジンに使用される燃料のことで、そのことからディーゼル(ディーゼルオイル)と呼ばれているわけです。
関連記事:「ガソリン代込み?カーシェアでの給油の流れと特典」

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